BTSなど人気ボーイズグループ、また韓国俳優たちの影響で、若い世代にも知られるようになった徴兵制。人気絶頂期の芸能人でも、ステージ上で輝かしいパフォーマンスを見せるアイドルでも、韓国籍の男性として生まれた人は誰しもが経験しなければいけない国民の義務です。今日は、そんな韓国の徴兵制について詳しく解説していきましょう。
徴兵制とはどんな制度?
まず、徴兵制とは何かを説明していきましょう。徴兵制とは、国が一定年齢の国民に兵役義務を課し、軍隊に入隊させる制度のことをいいます。強制力は強く、国民の義務であるといわれているように、条件を満たした人は必ず軍隊に入る必要があります。実は日本でもかつて徴兵制が定められており、1873年から1945年までは軍隊が存在していたんですよ。
徴兵制を拒否するとどうなる?
徴兵制は国民の義務なので、拒否したり行かなかったりすれば処罰の対象になります。韓国は現在も徴兵制という強制力の強い制度が残っていますが、アメリカやイギリス、カナダ、そしてドイツなどは「志願制度」といって、志願者のみで軍隊を維持しています。韓国では、徴兵制を逃れるために芸能人や政治家の子息たちが不正をはたらき、処罰されるという事例が複数件ありました。
【参考サイト:Yahooニュース】
徴兵制に行かなかった韓国スターも
徴兵制には適性検査があり、条件をクリアした人だけが軍隊に入ることになります。具体的には1~7級という階級に分けられ、1~3級が入隊、4級は入隊の代わりに社会服務要員として公的機関での勤務を命じられます。5級は実質免除、6~7級は完全免除となります。韓国芸能界では、ペ・ヨンジュンさんやチャン・ドンゴンさんが5級以下と判定され、兵役に就いていません。
【参考サイト:Yahooニュース】
俳優のウォンビンさんは、入隊したもののケガのため早期除隊を余儀なくされ「兵役義務を全うできず申し訳ない」と数年間表舞台から姿を消していました。
【参考サイト:シネマトゥデイ】
徴兵制を終えなければ就職ができない
韓国では、徴兵制を終えていなければ就職ができないというルールもあります。学歴社会の韓国では大学に進学する人が多いため、一般的には大学在学中に休学して兵役義務に就き、そのあと就職したり、芸能活動を本格化させたりする人が多いようです。韓国の芸能界では、徴兵制を先延ばしにしているとタイミングが掴みづらくなり、兵役に行っている間に新しいスターが次々に出てきて自分の居場所がなくなることから「兵役は芸能人の墓場」といわれているそうですよ。
あえて過酷な配属先を希望する俳優も
韓国芸能界では入隊時、あえて厳しく過酷だといわれている配属先を希望する俳優もいるそう。たとえば『愛の不時着』で主演を務めたヒョンビンさんは、人気絶頂期の28歳のとき、自ら志願して海軍へ入隊しました。
海軍は軍隊の中でも特に厳しい部隊のため、ヒョンビンさんは韓国全土から称賛の声が殺到したそう。除隊後は、海軍で鍛えられたたくましい身体と好感度を武器に、俳優としてさらに成功したのだそうですよ。
まとめ
ルセラフィムやNew Jeansなど女性アイドルグループも多く活躍する、韓国の芸能界。しかし韓国籍の男性として生まれてきた人は、徴兵制にのっとり軍隊に入るのが宿命です。現在はBTSのメンバー5名が兵役義務に就いていることが話題になっていますが、今人気絶頂期を迎えているアイドルたちも、次々に入隊を余儀なくされるでしょう。アイドル本人たちにとっても、1年半という月日を待ちわびるファンにとっても、切なくむずがゆい時間であることは間違いなさそうですね。